NY市場サマリー(31日)逃避買いでドル上昇、株式下落

[31日 ロイター] –

<為替> ドルが上昇。ロシアとウクライナの停戦交渉で進展が見られない中、安全資産としてのドルへの投資妙味が高まった。また、米政府が戦略石油備蓄の大規模放出を発表したことも材料視された。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.492%高の98.31。

バイデン米大統領は31日、戦略石油備蓄(SPR)から今後6カ月間で1日当たり100万バレルを放出すると発表した。ロシアのウクライナ侵攻以降急騰しているガソリン価格押し下げを狙う。

石油備蓄放出のニュースを受け、ロシアのウクライナ侵攻以降高止まりしている原油価格は下落した。これに伴い資源国通貨も下落し、豪ドルは0.34%安の0.74845米ドル、ニュージーランドドルは0.57%安の0.6931米ドル。

ユーロ/ドルはユーロ圏利上げ期待の高まりを追い風に一時1.1184ドルと、今月1日以来の高値を付けたのものの、その後は下げに転じ、0.8%安の1.1068ドルとなった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 四半期末のポジション調整に関連した買いが入る中、国債利回りが低下した。市場では米労働省が翌日に発表する3月の雇用統計が注目されている。

この日は日本の年度末に当たったことも米国債に対する需要が高まる結果になった。シーポート・グローバル・ホールディングス(ニューヨーク)のマネージング・ディレクター、トム・ディ・ガロマ氏は、日本の年度末と四半期末が重なったことで、米国債に堅調な買いが見られたと指摘。10年債債利回りは2.33%に低下した。

2年債と10年債の利回り格差は約4ベーシスポイント(bp)。29日の取引で一時2年債利回りが10年債利回りを上回り、2019年9月以来初めて「逆イールド」が発生していた。

2年債と10年債の利回り逆転は景気後退(リセッション)入りの兆候と見なされるため注目されたが、マイク・シューマッハ氏が率いるウェルズ・ファーゴのマクロ戦略部門は「中央銀行による大量の債券購入で、長期利回りは経済ファンダメンタルズからかい離している」と指摘。「利回り曲線の形と経済成長率との関連性は09年以降、薄れている」との見方を示した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 下落。四半期では2年ぶりの大幅な下げを記録した。ウクライナでの紛争継続や米連邦準備理事会(FRB)によるインフレ対応などが懸念された。

ウクライナとロシアの和平交渉を巡る楽観的な見方が今週初めに株価を押し上げたものの、期待はすぐに後退した。ロシアのプーチン大統領は31日、同国産天然ガスの海外の買い手に4月1日から代金をルーブルで支払うよう求め、支払わない場合はガス供給を停止すると表明した。

米国はロシアに対し、ハイテク部門を対象に含む追加制裁措置を発表。バイデン大統領は、ウクライナ危機の中で高騰したガソリン価格の押し下げに向け、戦略石油備蓄から過去最大の放出を表明し、石油会社に生産拡大を求めた。

S&Pの主要11セクターは全てが下落。金融と通信サービスの下げが目立った。

エネルギーはバイデン氏の備蓄放出方針を受けた原油安を背景に下落したが、年初来では約38%高と主要セクターの中で最も良好なパフォーマンスとなっている。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米インフレの高止まり懸念やウクライナ情勢をめぐる警戒感などを背景に買われ、続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比15.00ドル(0.77%)高の1オンス=1954.00ドル。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 過去最大の米戦略石油備蓄(SPR)放出が嫌気される中、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物は、前日清算値(終値に相当)比7.54ドル安の1バレル=100.28ドル。6月物は7.16ドル安の98.52ドルだった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 121.66/121.69

始値 121.67

高値 121.85

安値 121.29

ユーロ/ドル NY終値 1.1065/1.1069

始値 1.1093

高値 1.1132

安値 1.1062

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 95*23.00 2.4529%

前営業日終値 95*05.00 2.4800%

10年債(指標銘柄) 17時05分 95*28.00 2.3452%

前営業日終値 95*24.50 2.3580%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*05.25 2.4649%

前営業日終値 100*08.00 2.4470%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.75 2.3346%

前営業日終値 99*27.13 2.3280%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 34678.35 -550.46 -1.56

前営業日終値 35228.81

ナスダック総合 14220.52 -221.76 -1.54

前営業日終値 14442.28

S&P総合500種 4530.41 -72.04 -1.57

前営業日終値 4602.45

COMEX金 6月限 1954.0 +15.0

前営業日終値 1939.0

COMEX銀 5月限 2513.3 +2.0

前営業日終値 2511.3

北海ブレント 5月限 107.91 ‐5.54

前営業日終値 113.45

米WTI先物 5月限 100.28 ‐7.54

前営業日終値 107.82

CRB商品指数 295.1832 ‐6.1323

前営業日終値 301.3155

米国株式市場=下落、四半期では2年ぶりの大幅な下げ

[ニューヨーク 31日 ロイター] – 米国株式市場は下落。四半期では2年ぶりの大幅な下げを記録した。ウクライナでの紛争継続や米連邦準備理事会(FRB)によるインフレ対応などが懸念された。

ウクライナとロシアの和平交渉を巡る楽観的な見方が今週初めに株価を押し上げたものの、期待はすぐに後退した。ロシアのプーチン大統領は31日、同国産天然ガスの海外の買い手に4月1日から代金をルーブルで支払うよう求め、支払わない場合はガス供給を停止すると表明した。

米国はロシアに対し、ハイテク部門を対象に含む追加制裁措置を発表。バイデン大統領は、ウクライナ危機の中で高騰したガソリン価格の押し下げに向け、戦略石油備蓄から過去最大の放出を表明し、石油会社に生産拡大を求めた。

この日発表された2月の個人消費支出(PCE)価格指数の伸びは前年同月比6.4%と前月の6.0%から加速し、1982年1月以降で最も高くなった。FRBが物価の目安とする変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE指数も、前年比の伸びが前月から加速した。

この指標に関して、ケース・キャピタル・アドバイザーズのマネジングパートナー、ケン・ポルカリ氏は「今後も上昇が続くとみられる」と指摘。FRBがより積極的な姿勢を取ることを鮮明にするもので、50ベーシスポイント(bp)の利上げが複数回あるだろうとの見方を示した。

四半期ではS&P総合500種は4.9%、ダウ工業株30種は4.6%、ナスダック総合は9.1%、それぞれ下落した。ただ、月間ではS&Pは3.6%高、ダウは2.3%高、ナスダックも3.4%高となった。

S&Pの主要11セクターは全てが下落。金融と通信サービスの下げが目立った。

エネルギーはバイデン氏の備蓄放出方針を受けた原油安を背景に下落したが、年初来では約38%高と主要セクターの中で最も良好なパフォーマンスとなっている。

薬局チェーン大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは5.67%下落。2022年の増益率見通しを1桁台前半に据え置いたことが嫌気された。

米取引所の合算出来高は120億8000万株。直近20営業日の平均は139億株。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.61対1の比率で上回った。ナスダックでも1.74対1で値下がり銘柄数が多かった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 34678.35 -550.46 -1.56 35201.52 35201.52 34677.99

前営業日終値 35228.81

ナスダック総合 14220.52 -221.76 -1.54 14444.78 14456.74 14217.73

前営業日終値 14442.28

S&P総合500種 4530.41 -72.04 -1.57 4599.02 4603.07 4530.41

前営業日終値 4602.45

ダウ輸送株20種 16283.02 -263.83 -1.59

ダウ公共株15種 1041.96 -0.14 -0.01

フィラデルフィア半導体 3429.00 -79.62 -2.27

VIX指数 20.56 +1.23 +6.36

S&P一般消費財 1462.69 -29.05 -1.95

S&P素材 553.45 -7.57 -1.35

S&P工業 870.46 -13.85 -1.57

S&P主要消費財 791.47 -3.38 -0.43

S&P金融 637.61 -15.15 -2.32

S&P不動産 302.42 -3.60 -1.18

S&Pエネルギー 581.93 -8.22 -1.39

S&Pヘルスケア 1594.81 -19.09 -1.18

S&P通信サービス 235.09 -4.83 -2.01

S&P情報技術 2794.08 -45.23 -1.59

S&P公益事業 378.12 -0.64 -0.17

NYSE出来高 12.33億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 27585 – 205 大阪比

シカゴ日経先物6月限 円建て 27535 – 255 大阪比

ウクライナ関連の保険損害、350億ドルに達する可能性=S&P

[ロンドン 31日 ロイター] – S&Pグローバルは31日、ロシアとウクライナの紛争による特殊保険市場の損失が160─350億ドルに達する可能性があると発表した。

これには総額60─150億ドルの航空保険損失のほか、サイバー保険や政治リスク保険、海上戦争保険が含まれるとみられる。

アイルランドを拠点とする航空機リース世界最大手のエアキャップは、ロシアのウクライナ侵攻後に回収できなくなったジェット機100機余りに関して、保険金35億ドルを請求した。

S&Pは「航空機リース会社、保険会社、再保険会社が被った最終的な損害を解決するには何年もかかるとみている」とした。

ロシア「ルーブル決済嫌ならガス供給停止」、欧州は反発

[ベルリン 31日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は31日、外国の買い手は4月1日からロシア産天然ガスの代金をルーブルで支払う必要があるとし、支払わない場合はガス供給を停止すると表明した。これに対し欧州各国は反発。ロシアの要求は容認できず、「脅しに屈しない」として拒否する姿勢を示した。

欧州はガス供給の3分の1以上を失うという事態に直面している。ロシアへの依存度が最も高いドイツではすでに緊急計画が発動され、ガスの配給制が敷かれる可能性もある。

プーチン大統領は「ロシア産天然ガスを購入するためには、ロシアの銀行にルーブル建ての口座を開設する必要がある。天然ガスの代金は4月1日からこの口座を通して支払われる」と語った。

その上で「支払いが行われなければ、買い手側の不履行と見なす。その結果、あらゆる事態が発生する」とし、「無料で物を売る人はいない。われわれは慈善事業は行わない。つまり、既存の契約は停止される」と述べた。

関係筋によると、法令は4月1日以降に供給されるガスが対象。署名された法令によると、外国の買い手は国営天然ガス企業ガスプロム傘下のガスプロムバンクの特別口座を通して支払いを行う必要がある。

ある関係者はロイターに対し、4月に供給されたガスへの支払いは、一部の契約では4月後半に、その他の契約では5月に開始されることから、すぐに供給が滞ることにはならないと指摘した。

<脅しに屈せず>

ドイツとフランスは31日、天然ガスの代金をルーブルで支払う必要があるとするロシアの要求は容認できない契約違反として拒否する姿勢を示した。

ドイツのハベック経済相は記者会見で、プーチン大統領が署名した法令はまだ確認していないとしながらも、ドイツにはロシア産天然ガスの供給停止を含むあらゆる事態に対応する用意があると述べた。

その上で、天然ガスの支払いをルーブルで行うよう要求することで西側諸国を分断しようとするロシアの試みは失敗したと強調。「契約が尊重されることが極めて重要であり、プーチン氏に恐喝されるようなシグナルを出さないことが重要だ」と語った。

フランスのルメール経済・財務相も、独仏はロシアの要求を拒否すると発言。両国はロシアのガス供給が停止する可能性に備えていると述べた。ロシアが要求しているルーブル決済を巡って、技術的な詳細には触れなかった。

これとは別に、ドイツのショルツ首相はオーストリアのカール・ネハンマー首相との共同記者会見で、ドイツ企業は契約で規定された通り、ロシア産天然ガスの代金を引き続きユーロで支払うと述べた。

<ロシアは経済・金融面で「絶望」>

米国務省のプライス報道官は31日、ロシアによるルーブル決済の要求は、ウクライナ侵攻に伴い欧米の制裁が強化される中、ロシア側が経済・金融面で「絶望」している証拠という考えを示した。

定例記者会見で「基本的には、これはロシア経済が悲惨な状況にあることを示すものだと思う」と述べ、対応を決めるのは欧州諸国であると付け加えた。

さらに、ロシアに対する制裁や輸出規制、その他の経済措置は「重大で実質的かつ深刻な影響」を与え、ロシア側の「経済的、財政的絶望」につながっていると分析した。

ロ政府・中銀、ルーブルを「人為的に下支え」=ホワイトハウス

[ワシントン 31日 ロイター] – 米ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長は31日、ロシアの中銀と政府が通貨ルーブルを「人為的な措置によって下支えている」ことを確認していると語った。

ロシアのプーチン大統領は31日、外国の買い手は4月1日からロシア産天然ガスの代金をルーブルで支払う必要があるとする法令に署名したと明らかにし、支払いが行われない場合は契約を停止するとした。

31日の取引で、ルーブルは対米ドルで1.6%高の83.20ルーブルと、終値としては2月25日以来の高値を付けた。対ユーロでも1.8%高の92.50ルーブル。

米、台湾のインド太平洋経済枠組み参加は未定=USTR代表

[ワシントン 31日 ロイター] – 米通商代表部(USTR)のタイ代表は31日、上院財政委員会で行った証言で、バイデン政権の「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」への台湾の参加について明言を避けた。

タイ代表は、台湾は不可欠なパートナーとしながらも「IPEFへの参加は検討中で、何も決定されていない」と述べた。

台湾は、中国が経済的、軍事的威圧を強めているとしてIPEFへの正式参加を要望している。

ウクライナ支援国、一段の兵器提供で合意=英国防相

[ロンドン 31日 ロイター] – 英国のウォレス国防相は31日、英国を含む支援国がロシアの侵攻を受けているウクライナに一段の兵器を提供することで合意したと発表した。

ウォレス国防相は、35カ国以上が出席した第2回ウクライナ防衛国際ドナー会議(IDDCU)後に記者団に対し、「ウクライナに一段の兵器が提供される。多くの国が資金提供を確約した」と述べた。

具体的には、防空・沿岸防衛システム、長距離砲、装甲車などのほか、ウクライナ兵士の訓練や後方支援などが提供される。

ウォレス氏は声明で「今回の支援国会議で、ロシア軍の違法かつ無謀な侵攻を受けているウクライナの支援に向けた国際社会の決意が示された」とし、「ウクライナ軍の強化に向け、連携を強めていく」と述べた。

EU諸国、ガス供給安定問題のシグナル示さず=欧州委報道官

[ブリュッセル 31日 ロイター] – 欧州連合(EU)執行機関である欧州委員会の報道官は31日、現時点で「EU諸国がガス供給安定を巡る問題に直面しているシグナルを発していない」という認識を示した。

ドイツやオーストリア政府が発した天然ガス供給に関する「早期警戒」宣言については、供給の監視を強化する予防措置であり、ガス供給の安定性に関するEU規則において最低水準の危機通知を意味すると述べた。

NY外為市場=ドル上昇、逃避買い膨らむ 第1四半期2.8%高の勢い

[ニューヨーク 31日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でドルが上昇。ロシアとウクライナの停戦交渉で進展が見られない中、安全資産としてのドルへの投資妙味が高まった。また、米政府が戦略石油備蓄の大規模放出を発表したことも材料視された。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.492%高の98.31。

ロシアのウクライナ侵攻以降、ドルは上昇しており、3月は約1.6%、第1・四半期は約2.8%上昇する見通し。

スコシアバンクのチーフFXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は、月末と期末絡みのフローがボラティリティー増大につながっているものの、4月1日の米雇用統計の発表を控え、取引は比較的落ち着いている公算が大きいと述べた。

バイデン米大統領は31日、戦略石油備蓄(SPR)から今後6カ月間で1日当たり100万バレルを放出すると発表した。ロシアのウクライナ侵攻以降急騰しているガソリン価格押し下げを狙う。

石油備蓄放出のニュースを受け、ロシアのウクライナ侵攻以降高止まりしている原油価格は下落した。これに伴い資源国通貨も下落し、豪ドルは0.34%安の0.74845米ドル、ニュージーランドドルは0.57%安の0.6931米ドル。

週初にはロシアとウクライナの交渉で停戦が成立するという明るい見方も台頭していたものの、ウクライナ軍が東南部でロシア軍の攻撃に備える中、こうした期待は後退している。停戦交渉は4月1日再開される予定。

BDSwissのインベストメント・リサーチ主任、マーシャル・ギットラー氏は「こうした状況はリスクオフ取引につながり、株式市場やリスクに敏感なコモディティー関連通貨を圧迫している」と述べた。

また、ロシアのプーチン大統領は、外国の買い手が4月1日からロシア産天然ガスの代金をルーブルで支払う必要があるとする法令に署名したと明らかにし、支払いが行われない場合は契約を停止するとした。

ユーロ/ドルはユーロ圏利上げ期待の高まりを追い風に一時1.1184ドルと、今月1日以来の高値を付けたのものの、その後は下げに転じ、0.8%安の1.1068ドルとなった。

欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン専務理事は31日、ユーロ圏のインフレ率が2%付近で安定する可能性が高まっているとの認識を示した。しかし、ウクライナ紛争により見通しが悪化した場合には、軌道を修正できるよう用意しておく必要があるとも述べた。

ドル/円 NY終値 121.66/121.69

始値 121.67

高値 121.85

安値 121.29

ユーロ/ドル NY終値 1.1065/1.1069

始値 1.1093

高値 1.1132

安値 1.1062

米、石油備蓄を追加放出 1日100万バレル 大統領「石油会社も国民生活助けよ」

[ワシントン 31日 ロイター] – 米ホワイトハウスは31日、戦略石油備蓄から今後6カ月間で1日当たり100万バレル、全体で1億8000万バレルを放出すると発表した。5月に放出を開始する予定で、ロシアのウクライナ侵攻以降急騰しているガソリン価格の押し下げを狙う。

今回の放出量は世界の需要の約2日分に相当する。米政府が戦略石油備蓄を利用するのは過去半年間で3回目となる。

ホワイトハウスは「同盟国やパートナー国との協議を踏まえ、バイデン大統領は史上最大規模の石油備蓄放出を発表する」とし、「国内生産の増加が見込まれる年末までのつなぎになる」と説明した。

米エネルギー省は放出で得られる収入を将来の戦略石油備蓄の再補充に充てるという。

<使うか失うか>

バイデン大統領はホワイトハウスで行われたイベントで「これは世界にとって結果と危機の瞬間であり、全米の家庭にとってはガソリン代を負担する痛みである」と述べた上で、石油各社の経営陣に対し、何十億ドルもの配当を投資家に支払う代わりに、顧客や国民の生活を助けるよう要求。「これは愛国心を示す瞬間でもある。企業は今や記録的な利益の上にあぐらをかいている時ではなく、国のためにステップアップする時だ」と訴えた。

さらに、公有地に何千もの未使用の石油・ガス井が眠っている場合、企業にその手数料を支払わせるよう議会に呼び掛けた。バイデン政権は以前から、エネルギー企業が何千もの未使用リースを抱え込み、利用を躊躇していると述べており、石油会社が未使用の石油リース権を活用するため、いわゆる「使うか失うか(use it or lose it)」政策を推し進めると表明した。

石油会社は、将来の経営計画に柔軟性を持たせるために、権益を十分に確保することを好むほか、労働力や物流の制約が権益を利用する際の逆風になることがあるという。

バイデン氏はまた、電気自動車(EV)向け大容量バッテリーに使用されるリチウム、ニッケル、コバルト、グラファイト、マンガンなど鉱物の生産・加工を支援するために国防生産法(DPA)を発動。最終的に化石燃料を超えることができるよう、議会に対して気候変動対策を可決するよう呼び掛けた。