上海のコロナ感染者減少傾向、企業の生産再開の動き

[上海/北京 30日 ロイター] – 中国の上海市は30日、新型コロナウイルス対策で隔離措置が取られている地区以外で29日に報告された感染者がゼロだったと明らかにした。感染者急増を受けて4月初めに導入したにロックダウン(都市封鎖)という厳格な行動制限が一定の成果を収めたことになる。

上海市衛生当局の高官は記者会見で「市の感染対策は現在も非常に重要な局面にある」と述べ、市民に対策への理解を求めた。

感染を徹底的に封じ込める中国政府のゼロコロナ政策は経済に深刻な影響を与え、不自由を強いられる市民は不満を募らせる。

中国国家統計局が30日に発表した4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は予想以上に低下。財新の製造業PMIも2年2カ月ぶりの低水準となった。

上海市は先に、企業666社を生産再開を優先的に支援する対象に指定したが、市によると、その80%超が生産を再開した。第2弾の支援対象として1188社をリストアップしたという。

野村は、中国国内の46都市、3億4300万人が完全または一部封鎖下にあると推計。ソシエテ・ジェネラルは、国内総生産(GDP)の80%を生む地域で厳格な行動制限が行われていると見積もる。

上海市によると、29日に報告された無症状感染者は8932人、症状のある感染者は1249人でいずれも前日から減少した。前日は無症状感染者は9545人、症状のある感染者は5487人だった。

一方、首都北京市は、引き続き検査を強化し、濃厚接触者の特定などによって感染拡大の阻止に取り組んでいる。

新華社によると、北京市で29日に報告された症状のある感染者は48人で前日(47人)とほぼ変わらず。無症状感染者は6人で前日(2人)から増えた。

アングル:ウクライナの戦禍がアフリカ翻弄、パーム油高騰が生活直撃

[アビジャン(コートジボワール) 27日 ロイター] – アフリカのコートジボワールはウクライナから遠く離れている。しかし、実質的首都のアビジャンでジェネバ・ベレムさんが営むフライドビーンケーキ(豆を使った揚げ物)の屋台は、パーム油の価格高騰という形で戦禍に翻弄されている。

「もう売るのをやめたいと思うくらい。だって油の値段がこんなに上がったら儲けが無くなってしまう」。鍋の中の揚げ物をかき回しながらベレムさんは語った。

ロシアもウクライナも、熱帯の産物であるパーム油の生産国ではない。しかしロシアによるウクライナ侵攻は、複雑に絡み合った現在の世界経済にドミノ倒しのように影響を広げている。

戦争を一因としてパーム油の価格は過去最高値に跳ね上がった。パーム油はナイジェリアのジョロフライス(ピラフ)からコートジボワールのバナナフライまで、アフリカの食卓には欠かせない食材だ。

パーム油の輸出国インドネシアはこのほど、国内のパーム油価格の高騰を抑えるために輸出禁止に乗り出した。

「こんな状況に直面したのは初めてだ」と語るのは、農産物コンサルタント会社、LMCインターナショナルの創設者、ジェームズ・フライ氏。「衝撃をまともに食らうのは、大国の最貧困層やアフリカ諸国だろう」と言う。

実際、アフリカのサブサハラ(サハラ砂漠以南)では、家計支出に占める食費の割合が既に40%に達している。この割合は世界のどの地域よりも高く、先進国の17%に比べると倍以上だ。

燃料を含む幅広い価格が急上昇し、新型コロナウイルスのパンデミックによってアフリカで数千万人が極度の貧困に追いやられているところに、パーム油の価格高騰が加わったことで、多くの人々は厳しい選択を迫られるだろう。

ケニアの首都ナイロビで美容業界コンサルタントとして働くルーシー・カマンジャさんは、パーム油を使った調理油の価格が90%も上がったため、果物や生活必需品代を削らざるを得なくなった。

「本当に心配。食品価格が2倍ぐらいに上がってしまい、これからどうなってしまうのか」とカマンジャさん。「どうやって食いつないでいけばよいか」と嘆いた。

<ひまわり油も>

ロシアのウクライナ侵攻以前から、インフレは世界的な懸念事項だった。国連食糧農業機関(FAO)によると、昨年の食品コモディティ価格の上昇率は23%強と、過去10年余りで最も高かった。

3月のFAOの世界食料価格指数(食肉、乳製品、穀物、砂糖、油)は前月比12.6%も上昇し、指数公表が始まった1990年以来の最高を記録した。

中でも食用油は大きな打撃を被った。

アルゼンチンの大豆油輸出とカナダの菜種油生産は、干ばつによって壊滅的な影響を受けた。インドネシアの悪天候と、新型コロナ対策としてのマレーシアの入国制限措置は、パーム油生産を圧迫し、大農場で人手不足を招いた。

LMCのフライ氏は「唯一の光明がひまわり油だった」と話す。

ところがロシアが2月、ウクライナに侵攻すると、黒海地域からのひまわり油の出荷が滞り、世界の供給の大部分が消えた。この地域は世界のひまわり油生産の60%、輸出の4分の3以上を占める。

泣き面に蜂だったのは、やはり戦争の影響による原油価格の高騰だ。バイオ燃料の需要が増え、植物油の供給がさらに圧迫されたからだ。

「表現のしようもないほど悪い状況だ。最悪の事態に近い」とフライ氏は語る。

パーム油の世界指標であるマレーシア産パーム原油価格は、年初から50%近く上昇している。

<農家には恩恵も>

多くの貧しい国々では、パーム油は経済性の観点からも好んで使われてきた。長年の間、主な植物油の中で最も安かったからだ。

しかし世界銀行のデータを見ると、最近は他の植物油、特に大豆油やひまわり油並みの価格に近づいている。

3月には一時、インドの4つの主要な食用油の中でパーム油が最も高くなった。アフリカで中心的に使われるパーム油が、最も安い食用油だと安心して言える時代が終わりを告げるのかもしれない。

ただ、パーム油価格の高騰はアフリカにチャンスをもたらす面もある。

アフリカでは約20カ国がアブラヤシを育てており、農地面積は計600万ヘクタール近くに及ぶ。農業セクターにおける雇用の主な担い手でもあり、価格上昇は所得アップにつながるはずだ。

アビジャン郊外でパーム油の精製所を営むシルベイン・ンチョさんは、過去1年間に売上高が20%前後増えた。「パーム油価格の上昇で潤っているのは私たちだけではない。恩恵の一部は農民にも向かう」とンチョさんは語った。

コートジボワールの街、アディアケ近くで農場を営むジェローム・カンガさんは3年前の生産開始時、価格の安さにがっかりした。だが「12月以降、特に2月と3月に入ってから面白くなってきた。ざっと20%ぐらい(収入が)増えた」という。

<客から苦情>

しかしパーム油の上昇で追い風を受ける人の数は、困窮する人の数に比べれば取るに足りない。

アフリカ諸国のパーム油消費量は生産量を大幅に上回る。世界市場を支配しているのは東南アジアだ。

ナイジェリアのラゴスで小さな食品店を経営するアン・オバニーさんは、レッドパーム油の仕入れ値がこの1カ月だけで約20%も上がったと話す。「まるでうちが値段をつり上げているみたいに皆から苦情を言われる。うちは仕入れ値に沿って売っているだけなのに」

(Ange Aboa記者 Joe Bavier記者)

アングル:ビットコイン採掘のエネルギー消費、米環境運動の標的に

[ロサンゼルス 22日 トムソンロイター財団] – 中国が昨年、暗合資産(仮想通貨)ビットコインのマイニング(採掘)を禁止すると、米国で採掘を始める「ゴールドラッシュ」が起こり、ニューヨーク、ケンタッキー、ジョージアなど米国の州がたちまち主要なマイニング拠点となった。

ニューヨーク州議会のクライド・バネル議員にとって、これほどうれしいことはない。地元で雇用が生まれて「幸いだ」と語る。

一方で、アンナ・ケルズ議員は、電力を大量消費するマイニングを同州で厳しく規制する法案を推進中だ。「われわれの気候変動目標をすぐに脱線させてしまう産業がやってきた」と警鐘を鳴らした。

米国ではビットコインのマイニングによる環境への影響を巡る議論が活発化し、主要な環境団体が化石燃料の使用を批判する運動を全米で展開し始めた。

マイニングによるエネルギー消費量と温室効果ガスの排出量を正確に測定するのは難しい。

業界団体コインシェアが2021年に出した推計では、排出量は世界全体の1000分の1に満たないが、ニューヨーク・デジタル・インベストメント・グループの報告によると、2030年までに最大1%に達する見通しだ。

ビットコインのエネルギー消費を一貫して批判してきたエコノミスト、アレックス・ドゥ・ブリー氏は今年3月にエネルギー誌で発表した論文で、マイニングによってギリシャ1国分の二酸化炭素(CO2)が排出されたとの推計を示した。

ビットコインの推進派は、例えば、クリスマスの照明などもマイニングとほぼ同量のエネルギーを消費しているし、ビットコインの社会的機能を考えればエネルギーを消費するだけの価値がある、と主張する。

しかし、ニューヨークやペンシルベニアなどの州では、一部のマイナーが閉鎖された化石燃料発電所を復活させて電力を確保し、地元住民の抗議に遭う事例もあった。

環境団体・グリーンピースUSAの最高プログラム責任者、テフェレ・ゲーブル氏は、最近の記者会見で「今は気候変動危機の渦中だ」と指摘。ビットコインのマイニングは「われわれを間違った時期に間違った方向へと押し進めている」と批判した。

<NY州の法案>

ニューヨーク州議会のケルズ議員が策定した法案では、化石燃料を電源とするビットコインの新事業にモラトリアム(一時停止措置)を課すことが盛り込まれている。

同州のビットコイン・コンサルティング会社、ファウンドリーのディレクター、カイル・シュネプス氏は、法案が可決されれば「ニューヨークはこの事業に門戸を閉ざしたというシグナルになる」と反発する。

シュネプス氏は、再生可能エネルギーを利用しているマイナーもある上に、マイニング事業は地元に経済的な恩恵ももたらすと主張する。同社自体、ニューヨークで115人を雇用している。

法案に反対するバネル議員は、モラトリアムを導入すればマイナーが逃げかねないとし、議会は業界と協力して環境面の懸念に対処すべきだと話した。

ニューヨークで起こったことが全米に影響を及ぼすだろうという点では、賛成派と反対派の考えが一致している。

<コード変更を巡る対立>

エンバイロメンタル・ワーキング・グループやグリーンピースUSAなど主要な環境団体は、全米でビットコインによる環境への影響に注意を喚起する運動を展開している。

これらの団体は、ビットコインのソフトウエアコードを変更し、エネルギーを大量消費する「プルーフ・オブ・ワーク」方式から、消費量の少ない「プルーフ・オブ・ステーク」と呼ばれる新方式に切り替えるよう求めている。

新方式を使った暗合資産・リップルの共同創設者、クリス・ラーセン氏は、この運動に500万ドルを寄付した。

だが、ビットコイン推進派は、エネルギー集約型の設計こそが、ビットコインの安全性と分散化を維持する上で重要だと主張する。

これに対してラーセン氏は、ビットコインに投資する大手金融機関が増えるにつれ、ソフトウエア開発者に環境、社会、統治(ESG)目標に沿うよう求める圧力が増すと予想。「この圧力によって、中核的な開発者らは(コードの)変更を行うだろう。それがゴールだ」と述べた。

(Avi Asher-Schapiro記者)

アングル:かき揚げそばが映す世界経済、庶民の味にインフレ圧力

基太村真司 岡本亜希子

[東京 28日 ロイター] – 日本の食文化を代表するそば、とりわけ安さが売りの立ち食いそばは原材料の多くを輸入に依存し、その一杯はインフレに直面する世界経済の今を凝縮している。すでに値上げに踏み切ったチェーン店もある中、「ロシア」、「円安」という要因が加わり、一段のコスト上昇圧力を受けている。関係者の間では「いつでも気軽に食べられるものではなくなってしまうかもしれない」(製粉大手)との危機感が広がる。

<ロシアからの輸入がトップ>

「さすがに今回は、ちょっと(値段を)上げなくちゃ無理かなという状況に陥っています」。東京都港区にある高本製麺所の店主・石原隆さんは顔を曇らせる。石原さんは以前から働いてきた同店を17年前に引き取り、経営を続けてきた。ここまでのコスト高に直面したことはなかった。

そばの主原料であるソバの実は、国内消費量の6割程度が国産より安い輸入品。立ち食いそば店は、様々な特色がある各国の粉を独自に配合して味を競っている。

輸入品の価格はここ5年で6割超上昇した。日本蕎麦協会によると、19年まで最大の輸入相手国だった中国で、より収益性の高いとうもろこしなどへ転作する動きが活発化したことが背景にある。

ロシアによるウクライナ侵攻が、その流れに拍車をかける。中国が減産した結果、19年時点で3位だったロシアの存在感が増し、今年に入って輸入相手国の首位となった。ロシアは実を茹でて食べる習慣があり、生産量では世界一のそば大国だ。

製粉大手の日穀製粉(長野市)の担当者は「経済制裁による決済の停止や物流の混乱で入荷に遅延が発生している」と話す。円安環境下、この状態が長引けば品薄による一段の価格上昇は避けられない情勢だ。

「名代富士そば」を展開するダイタンホールディングス(東京都渋谷区)は今年に入り、かけそばを310円から340円へ引き上げた。昨年5月にかけそばを340円から360円へ値上げした「ゆで太郎」のゆで太郎システムズ(東京都品川区)も、最近の材料高騰を背景に追加値上げを検討中だという。

「給料が上がっていないのに、食料品が上がっているというのは、やはり家庭には痛い」と、安さと味に引かれて高本製麺所に通うタクシー運転手の山崎智子(52)さんは語る。「今まで海外に頼っていた部分があるので、それを高く仕入れなければいけなくなり、お店側は値上げしないと運営できない。仕方ないことだなと思っている」

<つゆもトッピングも>

立ち食いそばのコストを圧迫しているのは、麺だけではない。つゆからトッピングまで、あらゆるものの材料が値上がりしている。

そば粉と混ぜたり、揚げ物に用いる小麦粉は、9割を海外に依存し、日本政府が米国やカナダ、豪などから国家貿易としてまとめて輸入している。市況や為替の変動などを考慮して半年に一度、価格を改定しながら製粉企業などへ売り渡す仕組みだ。

そば業界の関係者の間で驚きの声が上がったのは今年3月。4月の政府売り渡し価格が1トン当たり7万2530円と、前回の昨年10月から一気に17%アップし、過去2番目の高水準へ跳ね上がった。昨夏の荒天で米国とカナダ産が不作、さらに価格高騰で国内分が手当てできなくなったロシアが一時的に輸出を規制したためだった。

さらに最近では、ロシアのウクライナ侵攻による供給不足懸念で先物価格が急伸し、14年ぶりの高値をつけるなど追加値上げへの懸念が衰えない。

店の顔であるつゆの味を決めるしょうゆ、揚げ物用の油などは、ともに原材料である大豆が高騰している。業務用の食用油は斗缶と呼ばれる18リットル入りの角形缶が主な取引単位で、日清オイリオグループは今月1日から斗缶当たり700円以上価格を引き上げた値上げた。およそ1割の値上げとなる。

バイオ燃料需要の増加、中国の旺盛な需要、ラニーニャ現象、カナダの高温乾燥、インドネシアの規制──日清オイリオの発表文にはその理由が列挙されている。コスト高要因は複雑に絡み合い、容易に鎮静化しそうにない。

今年2月に14年ぶりの値上げに踏み切ったしょうゆ最大手のキッコーマンは4月27日の決算発表で、2023年3月期の業績予想の公表を見送った。原材料価格と為替の変動が大きく、予想数値を示すことが困難だとした。

同社の中野祥三郎社長は、今後の追加値上げの可能性を問う質問に、現時点で決まったことはないとしながら「今後の原料価格などの動きを注視しながら考えていく」と述べた。

「10円、20円単位で日々勝負しているだけに、様々なものが同時に値上がりする中で、非常に重い負担増」と、高本製麺所の石原さんは言う。「10%から15%ぐらいは上げる品物が出てきそうだ」

(基太村真司、岡本亜希子 取材協力:伊藤光雪、グラフィック:照井裕子、編集:久保信博)

ウクライナからロシアへ100万人以上が避難、ラブロフ外相主張

[30日 ロイター] – ロシアのラブロフ外相によると、2月24日以降、ウクライナから100万人以上がロシアへ避難した。中国国営の新華社通信への発言をロシア外務省が30日未明に発表した。

ラブロフ氏はこの中で、ウクライナ市民280万人がロシアへの避難を希望していると述べた。

ウクライナ側は、数千人の市民が強制的にロシアに移送されたと主張している。ロシアが掌握を宣言した南部マリウポリからの民間人避難は進展が見られない。

ラブロフ氏は米国や北大西洋条約機構(NATO)に対し、ウクライナへの武器供与を中止することも求めた。

ラブロフ氏は、米とNATOが危機解決に「本当に」関心があるなら、ウクライナへの武器供与を止めるべきと指摘。「NATO諸国は、ウクライナ政権支持を表明することで、政治的合意による作戦終了をあらゆる手段を講じて妨げている」と述べた。

ロシア、デフォルト回避か 国債の支払いドルで実施

[ロンドン/ワシントン 29日 ロイター] – ロシア財務省は29日、これまで自国通貨ルーブルで行うとしていたドル建て債の支払いをドルで行ったと明らかにした。デフォルト(債務不履行)回避に向けた動きとみられる。

財務省は2022年満期債券について5億6480万ドル、24年満期債券について8440万ドルの支払いをドルで行ったとし、資金はシティバンクのロンドン支店に送られたと明らかにした。

両債券とも支払い期日は過ぎているが、30日間の猶予期間が設定されているため、最終的な期日は5月4日になっている。

米政府高官は、ロシアが米国で凍結された外貨準備金を使わずに支払いを行ったと確認したが、資金の出所は不明と述べた。

アデエモ米財務副長官はロイターに、米の制裁政策に「成功の兆し」が出ていると述べた。米国の投資家がドル建て国債の利払いを受けられる例外措置の期限は5月25日だが、延長の可否などについて明言を避けた。

<デフォルトになお備え>

ロシア側が支払いを発表する一方で、デフォルトに備えたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の入札準備はなお進んでいる。

大手金融機関や投資会社で構成するクレジット・デリバティブ決定委員会は29日に会合を開き、ロシアの支払いに関する報道を確認した。しかし、「債務不履行の可能性に備えて」来週のCDS入札は準備をしているとした。

ロシア財務省によると、資金は支払いを代行する米シティバンクのロンドン支店に送金された。シティはコメントを控えている。

これとは別に、ロシアのズベルバンクは、米・英による対ロシア制裁措置によって当初の契約通り投資家に支払いを行うことができなかったため、2件のユーロ建て劣後債のクーポンをルーブルで支払ったと明らかにした。

<ロシア国債上昇>

ブローカーによると、ドル建て債履行の発表を受け、ロシア国債は価格が上昇、ドル建てで2倍近くになる銘柄もあった。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、ロシアの5年物CDS(アップフロント方式)は64.333%となり、28日の76.4%から低下した。

指数算出会社MSCIのマネジングディレクター、アンディ・スパークス氏は、米の制裁例外措置が5月25日に失効すれば、デフォルトの可能性は大きくなると指摘し、投資家の多くは延長を予想していないとの見方を示した。

アングル:戦火からウクライナの文化遺産守れ、奮闘するオンライン部隊

[トビリシ 27日 トムソン・ロイター財団] – ウクライナの首都・キーウ(キエフ)に空襲警報が鳴り響いた今年2月下旬、国の民芸品を収蔵する「イワン・ゴンチャー博物館」では何人かのスタッフが、比較的安全な防空壕を出て職場に戻り、作品のデジタルコピーのバックアップ(複製・保存)を取ることを決断した。

ロシアのプーチン大統領はウクライナに侵攻する数日前に、同国は人工的に造られた国だと言い放った。博物館のスタッフにとってこの発言は、自分たちが一生を捧げて記録してきたウクライナ独特の文化に対する脅しに映った。

ミロスラワ・ウェルチュク副館長は、トムソン・ロイター財団の電話取材に「私たちにはこの文化を守る大きな責任があった」と話した。イワン・ゴンチャー博物館は民俗資料を収集し、絵画や衣服、楽器なども集めている。「コレクションが損傷したり破壊されたりしても、再構築できるようにしたかった」という。

スタッフは作品救出のため、展示品のデジタルコピーや民族音楽の録音など無形資産をクラウドデータベースにアップロードした。

ロシアのウクライナ侵攻を受けて米インディアナ大学に拠点を置く非営利組織、アメリカ民俗学会(AFS)が、ウクライナの文化遺産を守る幅広い草の根活動の一環として、データのバックアップを保存するクラウドストレージの利用環境を整えた。

ロシアの爆撃が始まったときにAFSは、野外での録音、インタビュー、写真、資料などを持っていそうな研究者や専門家、博物館、個人収集家に連絡を取り、支援を申し出た。

AFSのエグゼクティブディレクター、ジェシカ・ターナー氏は「私たちが取り組んでいるのは、クラウドストレージのリンクを個別に提供し、データのバックアップを可能にすることだ」と話した。「私たちはこうしたデータを保管し、(ウイルスが)除去され、安全であることを確認し、ウクライナの人々が再び必要になった際には用意することができる」

<デジタル司書>

ウクライナ侵攻の開始以来、世界中で何百人にも上る歴史専門家、図書館員、IT専門家がオンライン部隊を結成し、建物やサーバーが打撃を受ける前に、ウェブサイトから図書館の資料まであらゆるもののバックアップを取るために協力している。

ツイッターを通じて知り合った欧米の研究者3人が立ち上げたプロジェクト「ウクライナ文化遺産救済オンライン(SUCHO)」は約1200人のボランティアの協力を得て、危機に瀕したウェブサイトやデジタルコンテンツのアーカイブ化を進めている。

SUCHOの共同設立者である米スタンフォード大学のクイン・ドンブロウスキー氏は「私たちは公開されているウェブサイトが、利用不可能になる前に捕捉しようとしている」と述べた。

こうしたウェブサイトをアーカイブ化すればコピーが生成され、今も運営が続いているかのように閲覧することができるという。

SUCHOによると、数字に変動はあるものの、ボランティアがバックアップの必要性を指摘した数千件のウェブサイトのうち、15%程度が現在インターネットに接続されない状態になっている。原因はサーバーやインターネットケーブル、電線の破損の場合もあるし、料金未払いの場合もある。

「ウクライナ市民は今、ウェブサイトのサーバー代金以外に優先すべきことがたくさんある」とドンブロウスキー氏は話す。

ハーバード大のウクライナ研究所も、窮地に陥っている研究者にクラウドストレージを提供しているほか、ロシアによる侵攻のデジタルライブラリーを作った。

デジタルライブラリーは、ニュースサイトや政治家のソーシャルメディアなど厳選したウェブページを、時間を変えて繰り返し記録するオンラインツールを使って作られている。

こうした取り組みによって研究者は、戦争中にネット上で何が報道され、何が語られたかを遡ることが可能な、一種のタイムマシンを手に入れることができる。

また、ポーランドのピレツキ研究所は、博物館や遺跡の破壊など文化遺産に対する戦争犯罪の証拠を収集・保存するために、主に難民からの目撃証言を記録している。

<難航する作業>

戦争による混乱の中、こうした取り組みは成功することもあれば、失敗することもある。

SUCHOの共同設立者のセバスチャン・マジストロウィク氏によると、国勢調査の記録や裁判記録などを入手したのは、ハリコフ市の国立公文書館のウェブサイトがダウンするわずか数時間前だった。しかし、救済が間に合わなかったウェブサイトは枚挙にいとまがないという。

インディアナ大学の研究者、イリナ・ヴォロシナ氏によると、ウクライナの国民的画家、マリア・プリマチェンコ氏の作品を所蔵するキエフ近郊の小さな博物館は、AFSがその存在を発見する前に炎に包まれてしまった。

ヴォロシナ氏によると、作業に長時間かかる場合もある。「動画や、何年分もの作品など、テラバイト単位のデータも少なくない。たとえインターネットの接続が安定していても、アップロードを終えるのに1週間要することもある」

課題はほかにもある。AFSのターナー氏によると、送られてくるデータにはコンピューターウイルスが付着していることが多く、それを除去するのに時間がかかるという。

また、ターナー氏によると、AFSは研究者に対し、自身が戦争を生き残れなかった場合、写真やビデオなどの作品をどうするかという気の重い質問もしている。最初の契約では、短期間の保管を提供するだけだったためだ。

(Umberto Bacchi記者)

再送-訂正-米国株式市場=大幅安、低調なアマゾン決算やインフレ懸念で

(脱字を修正して再送します)

[29日 ロイター] – 米国株式市場は大幅安となり、1日の下げが2020年以降で最大となった。低調な決算を発表したアマゾン・ドット・コムが売られたほか、3月の米個人消費支出(PCE)価格指数の前月比の伸びが2005年以来の大きさとなったことを受け、利上げ懸念が一段と高まった。

米商務省が29日発表した3月のPCE価格指数は前月比で0.9%上昇と05年9月以来の高さとなった。

アマゾンは14.05%安と1日の下げとしては06年以降で最大となり、約2年ぶりの安値近辺となった。28日に発表した第2・四半期の業績見通しが市場予想を下回ったほか、倉庫の運営費と配送費の増加が重しになる中、第1・四半期は純損失を計上した。

アップルも3.66%安。28日発表した第2・四半期(1─3月)決算は利益と売上高が過去最高を更新したが、経営陣がさえない見通しを示したことが重しとなった。

業種別では、S&P主要11セクター全てが下落。一般消費財が5.9%安、不動産が4.9%安となり、下げを主導した。

S&P総合500種とナスダック総合は1日の下げがそれぞれ20年6月以来、20年9月以来の大きさを記録した。

チェース・インベストメント・カウンセルのプレジデント、ピーター・トゥズ氏は、アップルやアマゾンなどのさえない見通しが株安の下地を作り、週末や来週の連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中で、引けにかけて下げが加速したと述べた。

ナスダックの4月の下落率は約13%と、08年の世界金融危機以降で最大。

S&Pは年初来で13%安。同期間の下落率としては1939年以来(訂正)の大きさとなった。

週間ではS&Pが3.3%、ナスダックが3.9%、ダウ工業株30種が2.5%それぞれ下落した。

S&Pが1日に2%以上の上昇または下落を記録したのは22年に入り33回。21年は通年で24回だった。

石油最大手エクソンモービル は2.24%安。ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」事業からの撤退に伴い34億ドルの評価損を計上した。

28日までに四半期決算を発表したS&P500構成銘柄の約半数のうち81%が市場予想を上回った。リフィニティブによると、市場予想を上回るのは通常66%程度という。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.91対1の比率で上回った。ナスダックでも2.85対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は124億株。直近20営業日の平均は118億株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 32977.21 -939.18 -2.77 33787.0 33919. 32913.

1 59 15

前営業日終値 33916.39

ナスダック総合 12334.64 -536.89 -4.17 12710.4 12861. 12315.

2 83 74

前営業日終値 12871.53

S&P総合500種 4131.93 -155.57 -3.63 4253.75 4269.6 4124.2

8 8

前営業日終値 4287.50

ダウ輸送株20種 14865.06 -459.07 -3.00

ダウ公共株15種 999.90 -30.82 -2.99

フィラデルフィア半導体 2919.74 -136.62 -4.47

VIX指数 33.40 +3.41 +11.37

S&P一般消費財 1272.15 -80.03 -5.92

S&P素材 533.97 -10.74 -1.97

S&P工業 804.56 -21.67 -2.62

S&P主要消費財 810.50 -22.19 -2.66

S&P金融 573.70 -20.25 -3.41

S&P不動産 291.38 -15.00 -4.90

S&Pエネルギー 572.41 -14.51 -2.47

S&Pヘルスケア 1518.45 -38.55 -2.48

S&P通信サービス 198.03 -7.34 -3.58

S&P情報技術 2478.00 -106.89 -4.14

S&P公益事業 361.88 -11.22 -3.01

NYSE出来高 14.45億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 26765 – 105 大阪比

シカゴ日経先物6月限 円建て 26730 – 140 大阪比

米加州、最後の原発の稼働継続に前向き 化石燃料から脱却中

[29日 ロイター] – 米カリフォルニア州ニューサム知事の報道官は29日、化石燃料脱却に向けた移行期間中の電力供給を確実にするため、州内に唯一残っているディアブロ・キャニオン原子力発電所の稼働継続に前向きという認識を示した。

カリフォルニア州は脱原発を目指し、ディアブロ・キャニオン原発は2025年の廃炉が予定されていた。しかし、45年までに全ての電力をクリーンエネルギーから生産する目標達成を目指す中、20年には熱波に伴う計画停電を余儀なくされるなど、化石燃料からの脱却で課題に直面している。

ディアブロ・キャニオン原発は20年、カリフォルニア州全体の電力需要の8.5%を供給していた。

ウクライナ、WHOに緊急会合要請 ロシア侵攻の影響討議

[ジュネーブ 29日 ロイター] – ウクライナは世界保健機関(WHO)のハンス・クルーゲ欧州地域事務局長宛に書簡を送り、ロシアの侵攻で医療・保健体制が受けている影響を討議するための緊急会合を開くよう要請した。ロイターが29日に入手した書簡で分かった。

ウクライナはWHOが本部を置いているジュネーブにある国際機関代表部から今週に入り、書簡を送付。英独仏を含む38カ国が署名しており、医療機関に対する攻撃のほか、新型コロナウイルスワクチン接種の中断、核兵器や化学兵器を用いた攻撃のリスクなどについて討議するために、5月9日までに緊急会合を開くよう要請した。

このほか、WHOのテドロス事務局長が5月に開かれる世界保健総会でこの問題を提起するよう要請した。

WHOの欧州報道官は、ウクライナの要請を踏まえ、オンライン形式で5月10日に特別会合を開くことを提案するとした。

ウクライナに侵攻しているロシアもWHOに加盟している。