アングル:バイデン氏「アドリブ発言」、失言と断定できない理由

[ワシントン 27日 ロイター] – バイデン米大統領は、これまで非常に印象的な幾つかの「アドリブ発言」を行ってきた。

中国が侵攻した場合に米軍が台湾を守るのかと聞かれると「そうだ」と答え、ロシアのプーチン大統領を「人殺し」と呼んで「権力の座にとどまってはならない」と断言。新型コロナウイルスのパンデミックは「終わった」と宣言した。

これらの言い回しについてワシントンの政界では、バイデン氏の「失言」と問題視される傾向がある。だが、実際にはそうでないことも多い。

表面上は見えないバイデン氏の本当の考えをさらけ出し、時には政権の方針を探る上で、ジャンピエール大統領報道官や重要閣僚らの公式発言よりも、ずっと適切な手掛かりを国民に示してくれるのだ。

図らずもバイデン氏自身が今月、鉄鋼労働者向けの演説でこう語っている。「私が何を言っているか、誰も疑問を持ったことなどない。問題なのは時折、私が言いたいことを全部言ってしまうことにある」──と。

もちろんバイデン氏のアドリブ発言は外交面で非常に大きな波紋を広げがちで、ホワイトハウスのスタッフは発言の「火消し」に追われ、同氏が言葉を間違えたと言わずに混乱を収める努力を続けている。

例えば、今月の米CBSテレビ「60ミニッツ」におけるインタビューで、バイデン氏が米軍は台湾防衛に動くと受け止められる発言をした後、政府高官はすぐさま米国の台湾に関する政策は不変だと主張した。

しかし、バイデン氏は大統領になる前から同様の趣旨を公言している。こうした台湾有事において米軍をはっきりと積極関与させようとする同氏の姿勢によって浮き彫りになったのは、長らく米国が維持してきた台湾政策が抱える矛盾だ。

歴代の米大統領は1970年代以降、台湾は中国の一部とする「1つの中国」政策に同意しつつ、1979年の「台湾関係法」に基づいて台湾の国防を手助けする義務も負ってきた。

つまりバイデン氏の発言で、米国が1つの中国という理念と現実の台湾防衛を同時に支持するというちぐはぐさが示されている。

<思ったことを口にする男>

今年3月にバイデン氏がプーチン氏を強く非難した際には、ホワイトハウスの高官は間髪入れずに「大統領が言いたかったのはプーチン氏が隣国にまで権力を振るうのを許してはならないという意味だ」と釈明し、「体制転換」を議論したわけでないと述べた。

ただ、ここでもホワイトハウスが何を言おうと、バイデン氏が個人的にプーチン氏は政権運営者としてふさわしくないと思っていて、機会がある限り、プーチン氏の力を弱めるために米国の政策を行使する意向であることが明白になった。

9月のデトロイト自動車ショーで飛び出したパンデミック「終了」宣言はどうだろうか。ホワイトハウスは長らく、新型コロナウイルスを巡る公衆衛生上の緊急対応をいつ終えるかは「科学に基づいて」判断するとのメッセージを発信してきた。

実際、米国内でまだ1日当たり何百人も死亡している中で、バイデン氏はこうした宣言を行った。

それでも政権の新型コロナウイルス対応の変化が反映されていたのは間違いない。政府当局は、次の新しいワクチン接種を、年1回行うインフルエンザ予防接種と同等に扱おうとしている。米疾病対策センター(CDC)は、バイデン氏の発言後にマスク着用義務に関する指針も緩和した。

そもそもバイデン氏が「口を滑らせる」のは、今に始まった現象ではない。オバマ政権で副大統領だった際には同性婚について、オバマ氏が支持しようとする前に賛意を表明したのは有名な話だ。

半世紀にわたってバイデン氏と仕事をした経験がある元上院議員のテッド・カウフマン氏は「彼はいつも思ったことを口にする男として知られていた」と語った。

<危機管理>

こうしたバイデン氏の率直さは、報道陣の相手をする若手側近にとっては頭痛の種と言える。バイデン氏が記者団の質問に答えるために行う「ぶら下がり」の後、思わずため息をこぼしたり、罵声を口に出したりする原因になっている。このぶら下がりをバイデン氏自身は楽しくこなすが、結果的に側近らに何らかの問題が降りかかるからだ。

政権幹部はバイデン氏のぶしつけで正確さを欠き、推測だけの発言を後で釈明しなければならなくなるのを心配し、「危機管理」の面でメディアによるバイデン氏への長時間インタビューを滅多には許可しない。先の「60ミニッツ」は、バイデン氏にとって7月にイスラエルのテレビ司会者と短い会話を交わして以降、初めてのインタビュー取材だ。

タウソン大学のマーサ・ジョイント・クマール名誉教授(政治学)の調査によると、バイデン氏が受けた正式なインタビュー回数は、それまでの大統領よりずっと少ない。

クマール氏が今年7月まで集めたデータに基づくと、バイデン氏が大統領として行った記者会見は17回、インタビューは39回、非公式の記者団とのやり取りは300回なのに対して、それ以前の6代の大統領の平均はそれぞれ41回、112回、172回だった。

当然ながら、バイデン氏は単純に間違ったことを言う場合もある。79歳の同氏は7月、ガンを患っていると発言。側近の1人はその後、ツイッターでバイデン氏が昨年1月の大統領就任前に非黒色腫皮膚がんを摘出したと述べ、大統領が言及したのはこのことだと訂正した。

(Trevor Hunnicutt記者)

アングル:仮想通貨で「一発逆転」、南アの若者が追う危険な夢

[ヨハネスブルク 26日 トムソンロイター財団] – 南アフリカ最大都市ヨハネスブルク近郊のランガビル・タウンシップ――。低所得世帯が多いこの地で暮らすジョンさんが、暗号資産(仮想通貨)という言葉を初めて耳にしたのは3年前のことだった。「ビットコインのおかげで一夜にして金持ちになった」という同じ南アの人たちがユーチューブやフェイスブックに投稿した動画や記事を偶然目にした。

当時14歳だったジョンさんは触発され、早速取引アプリをダウンロードし、年齢を偽って口座を開設。貯金で売買を開始した。

すぐに少額の利益を得たものの、今年になって仮想通貨が急落すると、ジョンさんは両親に嘘をつくことになった。損失を穴埋めする資金を得るためで、両親はまさか仮想通貨取引をしているなど知る由もなかった。ジョンさんは「金持ちになったらきちんと返すつもりだ」と弁解する。

この町ではジョンさん以外に、何十人もの10代の若者が仮想通貨取引を手掛けている。

ユーチューブやインスタグラムでフォローしているインフルエンサーや自称仮想通貨専門家に憧れ、そうなりたいと思う気持ちを抱いてのことだ。

ジョンさんは、同じように仮想通貨を売買している仲間とのたまり場としている公園でトムソンロイター財団の取材に応じ、「今は、町内のほかの少年たちにやり方を教えている。必要なのは携帯電話と銀行口座、多少のお金だけで、それでどうやって大金を稼ぐかをこれから実際に見せようと思う」と語った。口座開設と取引の方法に関する教授料として、300─400ランド(17─23ドル)払ってくれる「顧客」がおよそ20人いると付け加えた。

国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、2021年の時点で南アは全人口の7.1%がデジタル通貨を保有しており、保有比率は英国やブラジルを上回って世界第8位。アフリカ諸国ではケニアやナイジェリアも保有比率が高い。

さらに金融情報会社ファインダー・ドット・コムが今月公表した調査では、南アの保有比率は10%に達し、特に18─34歳が保有者全体の43%を占めている。

18歳未満の保有についてのデータは存在しないが、当局や専門家が詐欺の被害を受けたり、大損したり、あるいは精神的なダメージを受けると警鐘を鳴らしているにもかかわらず、一獲千金を夢見て仮想通貨取引の世界に入ってくる少年少女は増加の一途をたどっている。

ウィットウォーターズランド大学の上級講師、アシアー・J・ラム氏は、南アの若者は大学で教育を受けて就職するよりも、リスクを完全に理解しないまま仮想通貨で金を稼ぐ道を選ぼうとしていると指摘。仮想通貨で大金を得る魅力は非常に説得力を持つかもしれないが、それに付随するリスクや、そうしたリスクへの理解が欠如した状況では、極めて大きな弊害が生まれかねないと懸念を示した。

<落とし穴>

仮想通貨は、世界の危険地帯や経済的に不安定な地域に金融取引サービスを提供するというメリットを持つ半面、匿名性が比較的高いため、犯罪者や過激主義者、制裁を受けている国家などに利用されやすい。また最近は価格が急落し、多くの利用者に打撃を与えている。

こうした中で南ア準備銀行(中央銀行)は先月、仮想通貨の保有と売買、送金向け利用を正式に許可した。ただ依然として規制は緩いままだ。

大きな不安要素の1つに詐欺行為が挙げられる。昨年、南アの仮想通貨交換所アフリクリプトの創業者が、顧客に口座がハッキングされたと言い残したまま失踪し、約36億ドルの顧客資金が消失。この種の事件としては消失金額が世界最大級になった。

今年6月には、米規制当局が南アのある男性とこの人物が経営する企業に民事処分を科している。数千人から詐欺的な勧誘手法でビットコイン17億ドル余りを集めたためだ。

南アの警察で刑事捜査部門の広報を担当するサンディ・ムバモ氏は、警察はこれまで詐欺的な仮想通貨取引の話に注意してほしいと国民に呼びかけてきたと説明し、詳細は明かさなかったものの「幾つかの事件を捜査している」と語った。

ウィットウォーターズランド大学のラム氏は、ジョンさんのような若者は特にだまされやすいと強調し、「彼らは技術面の複雑さやこの分野に(適切な)規制が存在しない事実、口座がハッキングされ、お金が盗まれるという問題を完全には分かっていない」と説明。すぐにもうかるからと夢中になるのだろうが、同時に自分たちが利用され投資金額を全て失う恐れがあり、メンタルヘルスを損なう可能性もあると訴えた。

<希望を託す理由>

ジョンさんは、学校をサボって何か情報はないかとユーチューブの動画を次々と閲覧しつつ、ワッツアップのプロフィールに自身の華やかな洋服とお札が積み上がった画像を掲載して「顧客」の拡大を目指している。ただ生活のため、必死で雑用的な仕事をこなしている両親に本当のことは話していない。

授業に出てもジョンさんは気もそぞろで、取引アプリが鳴らす警報音に心を奪われ、ユーチューブやTikTok(ティックトック)を夜遅くまで閲覧し続ける生活ですっかり疲れ切っている。かつて「オールA」だった成績は下降してしまった。

それでもジョンさんは成功への希望を捨てていない。「この町で生きていくのは簡単ではない。自分の仮想通貨ビジネスを大きく育て、別のビジネスを開業できるだけのお金を手に入れたい。(仮想通貨)取引は私の未来そのものなのだ」と言い切った。

背景には、ジョンさんをはじめとする南アの貧しい若者にとって、国内の失業者がずっと高水準で推移する経済状況では高給を得られる仕事は手が届かない世界の話に見えてしまう、という厳しい現実がある。

(Kimberly Mutandiro記者)

西側諸国、インフラへの攻撃の可能性「懸念」する必要=米高官

[ワシントン 30日 ロイター] – 米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は30日、ロシアと欧州を結ぶ天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム」が破壊工作を受けた疑いがあることを踏まえ、米国や西側諸国の同盟国はロシアによる主要インフラへの攻撃の可能性を懸念する必要があるという認識を示した。

サリバン氏は、ノルドストリームのガス漏れの原因が、「北大西洋条約機構(NATO)の同盟国の関与によるものとは考えていない」とした上で、米国はインフラへの脅威を巡る新たな情報を入手していないものの、NATOは加盟国の領土の監視を強化していると語った。

ホワイトハウスによると、サリバン氏はノルドストリームへの破壊工作の可能性を巡る懸念について、NATOのストルテンベルグ事務総長と協議した。

ロシア軍、ザポロジエ近郊にミサイル攻撃 市民少なくとも30人死亡

[ザポロジエ(ウクライナ) 30日 ロイター] – ウクライナ南部のザポロジエ市近郊で30日、市民が乗った車の列がロシア軍のミサイル攻撃を受け、少なくとも30人が死亡、約100人が負傷した。現場では遺体が辺りに散乱するなど、凄惨な状況になっている。

当局者によると、市民らはロシア軍の制圧下にある地域に住む親族らに物資を届けるなどの目的で、ザポロジエ市近郊にある自動車市場に集まっていた。

ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオ演説で「ロシアはウクライナの市民を意図的に殺害した。ロシア軍はミサイルがどこに当たるか知っていた」とし、「非人間的な行為であり、法律で裁かれなければならない」と述べた。

ロシアのプーチン大統領はこの日、先の「住民投票」でロシアへの編入を圧倒的多数で支持したウクライナ東・南部のルガンスク、ドネツク、へルソン、ザポロジエ4州の併合を宣言し、4州の親ロシア派代表と併合条約に署名。その後、モスクワ中心部の赤の広場で開催されたウクライナ東・南部4州併合を祝うテレビ中継のコンサートで、ロシアがウクライナにおける「軍事作戦」で勝利すると誓った。

攻撃は併合条約署名の数時間前に発生。ゼレンスキー氏は「赤の広場で歌い、ザポロジエについて語りながら、ロシアは自らこうした攻撃を行った。人間のすることではない」と語った。

ザポロジエの警察当局者によると、市民が集まっていた自動車市場に「S300ミサイル」3発が命中。ロシア軍は制圧下に置いている地域に向かう市民らがここに集まることを知っていたとし、完全に意図的な攻撃だったとの見方を示した。

安保理、「併合」非難の決議案否決 ロシアが拒否権

[ワシントン 30日 ロイター] – 国連安全保障理事会で30日、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東・南部4州の併合を宣言したことを非難する決議案がロシアの拒否権行使により否決された。

決議案は米国とアルバニアが提出。30日午後の採決では、米英を含む10カ国が賛成票を投じた。中国、ガボン、インド、ブラジルは棄権した。

反対票を投じたのはロシアのみだった。

ロシアのプーチン大統領は30日、ウクライナの領土の15%相当する東・南部4州の併合を宣言した。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は安保理で、ウクライナ領土の変更を認めず、ロシアに軍撤退を求める決議案を提出。主権国家の領土併合を目指す行為は国連設立の原則に反するとし、プーチン大統領が「明確な国際法違反」を祝っていると非難した。

プーチン大統領はモスクワ中心部の赤の広場で開催されたウクライナ東・南部4州併合を祝うテレビ中継のコンサートで、ロシアがウクライナにおける「軍事作戦」で勝利すると誓った。

安保理で拒否権を行使したロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナ東・南部4州がロシア編入を選んだと主張し、「決議案が要求しているように後戻りすることはない」と述べた。

中国の張俊国連大使は「全ての国の主権と領土は守られるべき」としつつも、各国の「正当な安全保障上の懸念」は真剣に受け止めるべきと主張した。また、ウクライナの「危機の長期化と拡大」について懸念を表明した。

安保理での採決に先立ち、ブリンケン米国務長官は、ロシアの拒否権行使によって決議案が否決されれば、「全ての国が投票権を持つ国連総会に対し、力による国境線の引き直しは容認できないことを明確にするよう要請する」という考えを示していた。

物価巡り「有望な兆候」、確認に時間必要=リッチモンド連銀総裁

[ウッドブリッジ(米バージニア州) 30日 ロイター] – 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は30日に、インフレ圧力が緩和され始めた「有望な兆候」はあるが、データで確認するには時間がかかるかもしれないと述べた。

バージニア州のプリンスウィリアム商工会議所でのイベントで「新型コロナウイルスは過ぎ去り、供給上のショックは緩和されつつあるようだ。一部の大手小売業者が在庫過多と発表しているほか、住宅は落ち着きを取り戻しつつある。雇用者数は増加傾向にあり、幅広い商品がピーク時の価格水準から下落した」と指摘。ただ、これらはまだ顕在化しておらず、インフレ統計はなお高水準のため、連邦準備理事会(FRB)は「尚早に勝利宣言することなく」利上げを継続すべきとした。

「インフレは低下するはずだが、すぐに低下するとは見ておらず、予測可能でもない」とし、「われわれは何度もショックを受けた。大きなショックが和らぐには時間を要する」とした。

イベント後には記者団に対し「現時点では、インフレが自律的に低下しわれわれが行き過ぎるリスクよりも、インフレが悪化するリスクの方が大きい」と言及。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)での適切な利上げについてまだ判断していないが、30日に発表された経済指標はインフレが引き続き広範囲で持続していることを示していると語った。

EU、エネルギー企業への課税を承認 ガス料金上限巡り意見対立

[ブリュッセル 30日 ロイター] – 欧州連合(EU)は30日の閣僚会議で、ガス料金の上限設定を巡り意見が対立した。15カ国が欧州のエネルギー不足に対抗するために必要だと主張したものの、ドイツなどが反対した。

一方、エネルギー価格の高騰を抑えるために今月提案された措置は承認された。化石燃料企業が今年または来年に計上する余剰利益に課税するほか、低コストの電力会社が電気料金の高騰から得る余剰収入にも課税する。ピーク時の電気使用量を5%削減することも義務付けた。

これらの措置を承認したことを受けて、EUはエネルギー価格抑制に向けた一段の措置について協議を開始。多くの国は広範なガス価格の上限設定を求めているが、ドイツを中心に一部の国は依然として反対姿勢を崩しておらず、欧州委のカドリ・シムソン委員(エネルギー担当)は会議後、ガス料金の上限設定についてまだ合意が得られていないと述べた。

ガス料金の上限設定を巡っては今週、フランス、イタリア、ポーランドなど15カ国が欧州委に要請した。

ドイツのハーベック経済・気候保護相は10月11日の次回会合に向け、EUの閣僚が幅広い価格上限に対して「より良い解決策」を見つけ出すことができると確信していると指摘。「ガス料金の上限設定は欧州に十分な量のガスが供給されないとどうなるのかという問題に答えなければ機能しない。唯一の答えとして供給量を分割するとの声が出ているが、それは政治的に不可能だ」と述べた。

ガス料金の上限設定にはドイツのほか、デンマーク、オーストリア、オランダなどが反対した。

NY外為市場=ドル、対ユーロで上昇 資源国通貨は下落

[ニューヨーク 30日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで上昇したものの、四半期末を控え終盤では上げ幅を縮小した。ユーロ圏のインフレ率が過去最高を更新し、米国の個人消費の伸びが予想を上回る中、リスクに敏感なコモディティー関連通貨が下落した。

ドル指数は週間で3週間ぶりの下げとなったものの、四半期では2015年第1・四半期以降で最大の上げを記録した。

ポンドは対ドルで序盤に売られていたが上昇に転じ、4日続伸となった。

ポンドは26日に過去最安値を付けたが、イングランド銀行(英中央銀行)が28日から連日で英国債の買い入れを実施したことを受け、週間でも上昇する見込み。

欧州連合(EU)統計局が30日発表した9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比上昇率が10.0%と、前月の9.1%から加速し、過去最高を更新した。市場予想(9.7%)も上回った。

米商務省が30日発表した8月の個人消費支出(PCE)は前月より0.4%増えた。市場予想の0.2%増を上回った。インフレ圧力が8月も高まっていたことが示され、連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを継続する根拠になる可能性がある。

アムンディUSの債券・通貨戦略部門ディレクターのパレッシュ・ウパドヤヤ氏は、投資家が経済指標よりもポートフォリオのリバランスに集中したため「きょうの取引は月末・四半期末のフローにより歪んだ」とした上で、「世界経済成長への懸念、地政学的リスク、米金利上昇といったカウンターシクリカルな要素に支えられているため、現時点ではドルの強力な強気トレンドに対抗することはできない」と指摘。一方でコモディティー通貨は、需要や世界経済の成長に対する懸念から30日に発表されたインフレ統計に強く反応したと述べた。

米ドルはカナダドルに対して1.04%上昇。ニュージーランドドルは2.24%、豪ドルは1.62%それぞれ下落した。

ポンド/ドルは一時1.1235ドルを付けたが、終盤は0.28%高の1.11500ドル。

ユーロ/ドルは0.10%安の0.98055ドル。ドル指数はこの日0.08%安、週間で0.899%安となったが、四半期では7.2%上昇した。

フォレックスライブのチーフ外為アナリスト、アダム・バトン氏は「きょう発表された経済指標で再びインフレの高まりが示されたことは驚きだ。金利やドルに上昇圧力がかかり続けるだろう」と述べた。

ドル指数は年初来で約17%上昇。月間では3.15%高と4月以来の大きさとなった。

ドル/円は0.2%高の144.765円。9月上旬以来おおむねもみ合っている。

人民元は前日の下げから回復。中国人民銀行(中央銀行)が人民元の下落を食い止めるため、主要な国有銀行に対し、オフショア市場で元を買ってドルを売る準備をするよう指示したとロイターが報じた。

スイスフランは対ドルで1.05%下落。スイス国立銀行(中央銀行)が第2・四半期に500万スイスフラン(512万ドル)相当の外貨売り介入を実施したことが、30日発表のデータで明らかになった。

ドル/円 NY終値 144.75/144.78

始値 144.45

高値 144.82

安値 144.44

ユーロ/ドル NY終値 0.9799/0.9803

始値 0.9760

高値 0.9817

安値 0.9736

NY市場サマリー(30日)3株式指数が3四半期連続安、利回り上昇

[30日 ロイター] – <為替> ドルが対ユーロで上昇したものの、四半期末を控え終盤では上げ幅を縮小した。ユーロ圏のインフレ率が過去最高を更新し、米国の個人消費の伸びが予想を上回る中、リスクに敏感なコモディティー関連通貨が下落した。

ドル指数は週間で3週間ぶりの下げとなったものの、四半期では2015年第1・四半期以降で最大の上げを記録した。

ポンドは対ドルで序盤に売られていたが上昇に転じ、4日続伸となった。

ポンドは26日に過去最安値を付けたが、イングランド銀行(英中央銀行)が28日から連日で英国債の買い入れを実施したことを受け、週間でも上昇する見込み。

欧州連合(EU)統計局が30日発表した9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比上昇率が10.0%と、前月の9.1%から加速し、過去最高を更新した。市場予想(9.7%)も上回った。

米商務省が30日発表した8月の個人消費支出(PCE)は前月より0.4%増えた。市場予想の0.2%増を上回った。インフレ圧力が8月も高まっていたことが示され、連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを継続する根拠になる可能性がある。

アムンディUSの債券・通貨戦略部門ディレクターのパレッシュ・ウパドヤヤ氏は、投資家が経済指標よりもポートフォリオのリバランスに集中したため「きょうの取引は月末・四半期末のフローにより歪んだ」とした上で、「世界経済成長への懸念、地政学的リスク、米金利上昇といったカウンターシクリカルな要素に支えられているため、現時点ではドルの強力な強気トレンドに対抗することはできない」と指摘。一方でコモディティー通貨は、需要や世界経済の成長に対する懸念から30日に発表されたインフレ統計に強く反応したと述べた。

米ドルはカナダドルに対して1.04%上昇。ニュージーランドドルは2.24%、豪ドルは1.62%それぞれ下落した。

ポンド/ドルは一時1.1235ドルを付けたが、終盤は0.28%高の1.11500ドル。

ユーロ/ドルは0.10%安の0.98055ドル。ドル指数はこの日0.08%安、週間で0.899%安となったが、四半期では7.2%上昇した。

フォレックスライブのチーフ外為アナリスト、アダム・バトン氏は「きょう発表された経済指標で再びインフレの高まりが示されたことは驚きだ。金利やドルに上昇圧力がかかり続けるだろう」と述べた。

ドル指数は年初来で約17%上昇。月間では3.15%高と4月以来の大きさとなった。

ドル/円は0.2%高の144.765円。9月上旬以来おおむねもみ合っている。

人民元は前日の下げから回復。中国人民銀行(中央銀行)が人民元の下落を食い止めるため、主要な国有銀行に対し、オフショア市場で元を買ってドルを売る準備をするよう指示したとロイターが報じた。

スイスフランは対ドルで1.05%下落。スイス国立銀行(中央銀行)が第2・四半期に500万スイスフラン(512万ドル)相当の外貨売り介入を実施したことが、30日発表のデータで明らかになった。

<債券> 国債利回りが上昇した。今週は、イングランド銀行の長期債の時限的な買い入れ開始を受け国債価格が急上昇し、その後はFRB当局者の金利は長期にわたり高水準にとどまるとの発言を受け国債価格が低下するなど、債券相場は大きく揺れ動いた。

FRBのブレイナード副議長はこの日、高インフレを抑制するため当面は高水準の金利を維持する必要があり、時期尚早な利下げを行わないように注意しなければならないと述べた。

RBCグローバル・アセット・マネジメントのブルーベイ米国債部門責任者、アンドレイ・スキバ氏は「インフレ率が有意に低下しなければ、FRBは景気後退に直面しても政策を転換し市場を支援することができない」と指摘。市場はインフレがどの程度速く低下するか注視していると述べた。

英中銀が28日に長期債買い入れを発表する直前、米10年債利回りは一時4.004%と、12年ぶりの高水準を付けた。ただ同日中に3.707%に約26ベーシスポイント(bp)低下。一日の低下幅としては2009年3月以来の大きさとなった。

スキバ氏は、市場では英国発の動きの消化がなお続いているとの見方を示した。

2年債利回りは8.8bp上昇の4.258%。

10年債利回りは7.6bp上昇の3.823%。

30年債利回りは8.3bp上昇の3.776%

2年債と10年債の利回り格差はマイナス43.9bpにやや縮小した。

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.166%、10年物が2.146%。

ドル建て5年先5年物インフレスワップは2.176%。

<株式> 主要3指数が3四半期連続の下げとなり、S&P総合500種とナスダック総合が08年以来、ダウ工業株30種は7年ぶりの連続安となった。第3・四半期は歴史的な高インフレや金利上昇、リセッション(景気後退)懸念などを背景に波乱含みの展開だった。

この日は序盤の上昇から一転し大幅安となった。S&P500の9月の下げは20年ぶりの大きさ。S&P500とダウが3週連続安となったほか、3指数はいずれも2カ月連続で下落した。

カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「FRBが40年ぶりの高水準となっているインフレに対抗するため、あらゆる手段を講じているという認識から、投資家はFRBが経済を悪化させ、リセッションに追い込むのではと懸念している」と述べた。

米スポーツ用品大手ナイキが29日発表した第1・四半期(8月31日まで)決算は20%の減益となった。北米市場で過剰在庫に向けた大幅値引きやコスト増が響き、マージンも大幅に低下した。ナイキの株価は12.8%安。

S&P主要11セクターのうち、不動産のみが上昇。一方、公益事業と情報技術が急落した。

アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、ナイキが重しとなった。

30日は四半期末のポジション調整などによりボラティリティーが高まった可能性がある。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.45対1の比率で上回った。ナスダックでも1.38対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は124億4000万株。直近20営業日の平均は114億5000万株。

<金先物> 米物価関連統計やドル相場の動きを眺めて反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比3.40ドル(0.20%)高の1オンス=1672.00ドルだった。週間ベースでは16.40ドル(0.99%)上昇。月間では6カ月連続での下落となった。

<米原油先物> 有力産油国の生産方針に関する決定に注目が集まる中、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.74ドル(2.14%)安の1バレル=79.49ドル。ただ週間では0.95%上昇し、5週ぶりにプラスとなった。12月物の清算値は1.70ドル安の78.72ドル。

ドル/円 NY終値 144.75/144.78

始値 144.45

高値 144.82

安値 144.44

ユーロ/ドル NY終値 0.9799/0.9803

始値 0.976

高値 0.9817

安値 0.9736

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 86*03.00 3.7807%

前営業日終値 87*16.50 3.6930%

10年債(指標銘柄) 17時05分 91*06.50 3.8286%

前営業日終値 91*26.50 3.7470%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*05.50 4.0865%

前営業日終値 100*21.00 3.9790%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.63 4.2726%

前営業日終値 100*04.88 4.1700%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 28725.51 -500.10 -1.71

前営業日終値 29225.61

ナスダック総合 10575.62 -161.89 -1.51

前営業日終値 10737.51

S&P総合500種 3585.62 -54.85 -1.51

前営業日終値 3640.47

COMEX金 12月限 1672.0 +3.4

前営業日終値 1668.6

COMEX銀 12月限 1903.9 +32.7

前営業日終値 1871.2

北海ブレント 11月限 87.96 ‐0.53

前営業日終値 88.49

米WTI先物 11月限 79.49 ‐1.74

前営業日終値 81.23

CRB商品指数 268.2911 ‐2.8646

前営業日終値 271.1557

米国株式市場=主要3指数、3四半期連続安 物価・景気後退懸念で

[ニューヨーク 30日 ロイター] – 米国株式市場では、主要3指数が3四半期連続の下げとなり、S&P総合500種とナスダック総合が08年以来、ダウ工業株30種は7年ぶりの連続安となった。第3・四半期は歴史的な高インフレや金利上昇、リセッション(景気後退)懸念などを背景に波乱含みの展開だった。

この日は序盤の上昇から一転し大幅安となった。S&P500の9月の下げは20年ぶりの大きさ。S&P500とダウが3週連続安となったほか、3指数はいずれも2カ月連続で下落した。

カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「連邦準備理事会(FRB)が40年ぶりの高水準となっているインフレに対抗するため、あらゆる手段を講じているという認識から、投資家はFRBが経済を悪化させ、リセッションに追い込むのではと懸念している」と述べた。

米商務省が30日発表した8月の個人消費支出(PCE)は前月より0.4%増え、市場予想の0.2%増を上回った。一方で8月のPCE価格指数は0.3%上昇。インフレ圧力が8月も高まっていたことが示され、FRBが積極的な利上げを継続する根拠になる可能性がある。

米スポーツ用品大手ナイキが29日発表した第1・四半期(8月31日まで)決算は20%の減益となった。北米市場で過剰在庫に向けた大幅値引きやコスト増が響き、マージンも大幅に低下した。ナイキの株価は12.8%安。

S&P主要11セクターのうち、不動産のみが上昇。一方、公益事業と情報技術が急落した。

アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、ナイキが重しとなった。

30日は四半期末のポジション調整などによりボラティリティーが高まった可能性がある。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.45対1の比率で上回った。ナスダックでも1.38対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は124億4000万株。直近20営業日の平均は114億5000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 28725.51 -500.10 -1.71 29123.0 29355. 28715.

3 78 85

前営業日終値 29225.61

ナスダック総合 10575.62 -161.89 -1.51 10697.7 10883. 10572.

1 04 33

前営業日終値 10737.51

S&P総合500種 3585.62 -54.85 -1.51 3633.48 3671.4 3584.1

4 3

前営業日終値 3640.47

ダウ輸送株20種 12058.26 -199.65 -1.63

ダウ公共株15種 888.47 -17.53 -1.93

フィラデルフィア半導体 2306.70 -40.67 -1.73

VIX指数 31.62 -0.22 -0.69

S&P一般消費財 1122.31 -20.94 -1.83

S&P素材 427.77 -1.50 -0.35

S&P工業 700.60 -9.27 -1.31

S&P主要消費財 695.78 -12.67 -1.79

S&P金融 504.39 -5.59 -1.10

S&P不動産 225.94 +2.22 +0.99

S&Pエネルギー 552.56 -5.04 -0.90

S&Pヘルスケア 1411.36 -20.09 -1.40

S&P通信サービス 162.01 -2.74 -1.66

S&P情報技術 2079.85 -41.24 -1.94

S&P公益事業 332.52 -6.67 -1.97

NYSE出来高 16.49億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 25945 – 65 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 25930 – 80 大阪比