中国10年物国債利回りが低下、中銀が一段の成長安定化措置に言及

中国の利回り低下、中銀が一段の金融緩和示唆 LPR引き下げ予想

[上海 19日 ロイター] – 中国の国債利回りは19日、幅広い年限で低下した。中国人民銀行(中央銀行)の劉国強・副総裁が成長安定化に向けさらなる政策措置を講じると18日に表明したことを受けた動き。

副総裁は人民銀が「迅速に動き、先を見据えた運営を行い、市場の期待に先行して行動し、市場の一般的な懸念にタイムリーに対応していく」と述べた。

野村のアナリストは最近の当局者コメントについて、「(中国当局が)成長鈍化をかなり懸念しており、痛みの閾値にほぼ達している」と指摘。「しかし政策当局者は、ほとんどの中小都市における不動産の供給過剰、新型コロナウイルス根絶の必要性など多くの制約にも直面している」と述べた。

人民銀は17日、景気減速に対応し、中期貸出制度(MLF)金利を市場の予想に反して引き下げていた。

一部のアナリストは次の緩和は早ければ20日と予想。中国の指標である1年物と5年物の最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)が引き下げられるとみている。

ロイター調査によると、43人全員が1年物LPRが2カ月連続で引き下げられると予想。38人は10ベーシスポイント(bp)の引き下げ、5人は5bpの引き下げを見込んでいる。

40人は5年物LPRも2020年4月以来初めて引き下げられると予想。27人は10bpの引き下げを予想している。5年物LPRは住宅ローン金利の指標となる。

ナティクシスのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、Alicia Garcia Herrero氏は「(5年物LPRが引き下げられれば)不動産市場の安定化に向けた重要なシグナルになる」と述べた。

OCBC銀行の大中華圏リサーチ部門責任者、トミー・シエ氏は今週、「中国指導部が2021年12月に下振れリスクの増大を認めたことを受けた良いスタートを求める声は、政策の前倒しを正当化する」と指摘。LPRと預金準備率の引き下げが第1・四半期に行われる可能性があるとした。人民銀は12月に双方を引き下げている。

「さらに、中国がMLF金利をさらに10bp引き下げる余地もあると考えている」。

吉林金塔投資の債券担当責任者、陳遠軍氏は「第1・四半期は機会の窓だ。今後、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを開始すると、中国の緩和余地はますます狭まるだろう」と述べた。

中国10年物国債利回りは序盤に一時、5bp低下し、2020年6月以来の低水準である2.71%を付けた。米10年物国債との利回り差は83bp前後に縮小、19年5月以降で最も小幅になった。

中国5年物国債利回りは4bp低下し、2.42%となった。

国泰君安証券のアナリストは調査ノートで「中銀にあらがってはいけない」と指摘。「金融緩和という持ち札がテーブル上に出された」と続けた。

中国の銀行トレーダーは「投資家が消化するのに伴い、債券相場の上昇はしばらく続くだろう。劉副総裁のハト派的発言が引き金になったとは思わない。実際は、予想外の利下げが引き金になった」と述べた。

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